こんにちは。なにゆえ株式会社の代表取締役 山本洋輔です。
今回は、選ばれるための「ストーリー」についてのお話です。
うちには劇的な創業ストーリーはないし…なんとなく時間が経って今があるしなあ…。
そう思われている方にこそ読んでほしいです。
自分たちでは気づいていないけれど、顧客から見た面白いストーリー、絶対にありますと断言します!
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ブランド・エクイティを高めるストーリー
ストーリーが大事と言っても、ただ時系列に起こった出来事を順番に話すだけでは共感を得ることはできません。編集が必要になるということですね。
一方で企業のストーリー作りは、フィクションの物語のようにただ人を楽しませるストーリーを作ることがゴールではありません。ビジネス的な目標に紐づいている必要があります。目的は、自社の企業価値を高めるためです。
企業価値とは企業全体の価値を数値で表したものですが、ストーリーは直接数字にはなりません。しかし、ビジネスはすべて数字で成り立っているわけではありません。数字に現れない、無形的な資産価値のことをブランド・エクイティと言います(覚えなくてOK)。
もので満たされ、ネットが普及したことで、価格や性能での差別化が難しくなってきたいま、このブランド・エクイティの重要性がとても高まっているのです。
ブランド・エクイティという難しい言葉を使わなくても、要するに顧客や関係者の共感を呼ぶことが大事ということです。
共感を呼ぶといえば、ストーリー。
「人間はストーリーの形でしか、ものごとを認知できない」と言い切る専門家もいるくらいです。
ではストーリーはどうやって作れば良いのでしょうか?今回は大枠として3つの手順をご紹介します。
1.理想を思い描く:具体的なビジョンが先行する
まずはあなた自身の理想を具体的に掲げましょう。理想とは、あなたが提供するサービスを通じて達成したい目標や、解決したい問題、実現したい未来の景色を指します。これがあなたのサービスの出発点となります。
例えば、パン屋さんを開くとしましょう。単に「美味しいパンを売る」ではなく、「地域の人々に笑顔と健康を届けるパンを作る」ことを理想と定義するとします。この理想は具体的で、誰が見てもわかりやすいものです。
さらに、”地域の人々に笑顔と健康を届ける”という部分に注目すれば、このパン屋さんはパン以外の選択肢を取ることができます。近くの公園へのピクニック企画(もちろん、パンを持っていくでしょうね)や、健康的なスムージーを合わせて販売するなどあなたの理想を実現する手段としてサービスを柔軟に変化させていくことができます。
2.歴史を振り返ろう:過去の経験が今をつくる
次に、あなた自身の歴史を振り返ります。あなたがどのようにして今日まで生きて来たのか、その歴史には、きっと強く記憶に残っている出来事、苦しい経験、喜びの瞬間があるでしょう。それらを全て合わせたものがあなた自身、そしてあなたのサービスを形成しています。
同じパン屋さんの例で考えてみましょう。店主は幼い頃、祖母の焼くパンの香りに包まれて育ったとします。その経験がパンへの深い愛情を育て、自分も人々に喜びを与えるパンを作りたいと思うようになりました。これがこのパン屋さんの歴史です。
「ただ、儲けのためにパンを売る人」、「祖母との思い出で得た温かい気持ちを次世代につなぐ手段としてパンを売る人」。あなたはどちらから買いますか?
3.ストーリーを紡ごう:理想と歴史が結びつく
ここで、理想と歴史を一本の線でつなげます。それがストーリーになります。歴史が今のあなたを作り、理想がサービスを通じて具現化されるのです。
引き続きパン屋さんの例を用いましょう。祖母のパンの香りとその思い出が、地域の人々に笑顔と健康を届けるパンを作りたいという理想に繋がりました。そしてその理想が、このパン屋さんを通じて実現されるのです。
ストーリーでブランディング
このように、あなた自身のストーリーを探し出すことで、あなたのサービスは唯一無二になります。それに共感し、その必要性を感じる人々があなたのサービスを選ぶのです。このストーリーによって、あなたのサービスはその他大勢のサービスから抜きん出て、一際鮮やかに輝き始めるのです。
あなた自身のストーリーを探し、それを伝え続けることが重要です。
しかし冒頭で触れたように、あなたのストーリーはあなたにとって当たり前すぎるので、目にみえないのです。でも、その目にみえないものは、あなたの無形資産です。
第三者である私たちがストーリーを引き出すことで、その無形資産は形になります。AIが存在感を増してきている中で、ブランディング会社の人間ができることは、ストーリーを掘り出し、いかに人に伝えられるかを一緒に作っていくことだと確信しています。ぜひご連絡ください。