こんにちは。WHYから始まるストーリーで企業の魅力や唯一無二性を「見えるようにする」ブランディングの会社、なにゆえ株式会社 代表取締役の山本洋輔です。
今年に入って、50名以上の経営者さんと1on1でお話をしてきました。お話した内容は「(幼少期含め)これまでたどってきた道のり」「ビジネスやプライベートの現状」「未来に実現したい妄想や構想」など、おそらく普段は話さないような内容です。
今回はその中で感じている思考の緩急についてお伝えしたいと思います。
ビジネスにおいて即断即決は常に必要か?
よく、「即断即決」は経営者の必須スキルだと言われます。あらゆる経営判断を素早く下さないと、競合企業に遅れを取ったり、チャンスを逃してしまうという考え方ですね。常にスマホで情報を得られる今、経営者に限らずとも常に急かされている感覚を持っている方は多いのではないでしょうか。
経営者をはじめとしたビジネスパーソンがあらゆる局面ですぐに答えを出せる状態になるためには、大きく3つのことが考えられます。
- 自分の考え方や基準がはっきりしている:どんな状況でも、自分の信じる方針に基づいて答えを出せる。
- 色んな事態を想像して準備している:予め色々なシチュエーションを考え、そのときどうするかを考えておくこと。
- 完璧を求めない:すべての情報を知ることはできない。だから、手元の情報だけで、最善の答えを出そうとする。
これらをよくよくみてみると、どれも一朝一夕で手に入るものではありません。
つまり、即断即決の裏には、じっくりと考える時間が基盤にあるんですね。
経営者にとって即断即決は重要であることは間違いありませんが、正確にはここぞという時に即断即決するためにじっくり考える時間をとる習慣も大事といったほうが良いかも知れません。いわば、経営判断には緩急が必要ということですね。
無駄なことを考えるという近道
一方で、日々忙しい経営者にとっては、この「考える時間」をなかなか持てないことが多いようです。答えが簡単に出ないことについて考えるのは、短期的には「無駄な時間だった…」とすら思えてしまうかもしれません。
自社が目指すものは何か?
なぜこの活動を行なっているのか?
喜ばせたい人は誰か?
どんなことが喜ばれるのか?
一年後どうなっていたいか?
十年後どうなっていたいか?
自社の強みにはどんなものがあるか?
当たり前にできることは何か?
どんな時に達成感を感じるか?
もっと言えば、
自分はどんなときに幸せを感じるか?
どんな人と過ごしている時が心地よいか?
なぜ今◯◯という目標を目指しているのか?
家族や友人に自分がやっていることをどう説明するか?
といったそれ単体では価値を生まないけれど、大きな決断をする上で大事な価値観を明確にする、コンパスのような役割を持つ時間です。
このような論理的にすぐに導けない答えと向き合うことに時間をかけることで、自分たちの価値観、判断の軸、目指す理想といった「あり方」が明確になっていき、ビジネスにおける「即断即決」が可能になっていくのです。まずはこういったことに時間を取る理由を把握するところから必要なのかも知れません。
私が経営者さんたちと一対一でお話をしていく中で感じたのは一人ではなかなかこれがうまくいかないということです。
時間を取れたとしても、これらに答えを出すためには日常の思考から離れて自分の常識の外に出る必要があるためなかなか難しいのです。
お話した1人の経営者様が、私との1on1の感想を「温泉やサウナに入ったあとのような感覚です」と評してくださいました。人は自分だけでは見えなかった自分の可能性に気づくとき、癒やしに近い感覚を覚えるのかもしれませんね。
毎日の中で、ちょっとした時間をとって、「答えのない問題」に向き合い、考えること。まずは一日5分でも良いと思います。ぜひ、試してみてください。その上で、もう少し他者の視点がほしいなと感じたらお気軽にお声がけください。
追伸
先月、Facebook/Instagramのストーリーズに、30日間「1日5分、鈍く考えるエクササイズ」として答えのない問いを投稿してみました。問いの参考にしていただければと思います。